2017年6月15日 (木)

倒れてい

じゃあ、ちょっとだけここでお待ちください」
とヒカルは言って軽くそっと彼女の右手をホンジョウの左手甲の上に添えると、もう片方の手には携帯を持ったまま奥のベッドルームへと姿を消した。

相変わらずだ。
そんなさりげない彼女の仕草、動作の中にこの自分をその気にさせる、それに十分匹敵する誘惑のバイブレーション?みたいな何かが含まれている。
いやでもそれって彼女にしてみれば全て無意識な行動ってことなんだろう。

そう言うさりげない行為を無意識で出来るオンナの娘って言うのが世の中的にまあ、いわゆるモテるオンナって言うか???、世のオトコの大半がちょっとでも自分に気がある素振りのオンナに一番弱いって言うか、そんなオンナ側からの仕切りがあって初めて自分の感情を奮い立たせられる所詮そんな弱気な存在なわけで。

それからホンジョウはちょっと手持ちぶさたになったからか、キョロキョロとそのヒカルのリビング兼カウンセリングルームのインテリアや小物のチェックをし始める。

何風って言うのだろうか?
白木のフローリングにレンガの感じがちょっと明るい色合いの???、サンタフェ風?
いや、トレンド系のカフェ風って言うのかなあ?
なんて勝手にその定義を決めようとしている広告屋の悪い癖だ。

その後、彼は座っていたソファのすぐ後にある冷蔵庫の上の複数のフォトフレームに自分の視線が止まるのを感じる。
そしてそれらの写真はと言うと???、どこか南国あたりの海、光り輝く太陽、クリスタル、そして、屋久島あたりの苔の森。
まあ、どれもよくあるスピ系の人が好きそうな写真?だな。

と???、ただその中にひとつだけ意図的に伏せられているかのように前向きに倒れているフォトフレームがあることにホンジョウは気づいた。

なんだろう?

と一瞬だけためらったホンジョウだったが、まあ倒れていただけかもしれないし、ちょっとだけ覗くくらいならいいだろうと好奇心が先行し、そのフォトフレームをそっと元の状態へと裏返した。

それは古く色褪せた、産まれたばかりの幼児を抱いた母のポートレートだった。
背景は???、何処かの神社だろうか?

わたしは中で

ところでどうなんだよオマエ、仕事の方は?」
カミカワさん???、誘われてすぐにここに来れるくらいなんだから、わかるでしょ?
わざわざ訊かなくたって」
と言うわたしのリアクションに、
やっぱ大変なのか?業界の方」
まあ、どこもよくないとは思いますけど、とりあえず俺とナカバヤシのところは去年の後半あたりから玉砕続きでしてね。
はっきり言って今年の展望はほぼゼロっすよ。
俺もそろそろ真剣に身の振りを考えないとって???思ってるところです。

ああでも、カミカワさんはさすがですよね。
こんなに立派なペンション建てちゃって。
先見の明があるって言うか」
なんて軽く持ち上げるようにそう言ったわたしに、
オマエなあ???、悪いことは言わない。
水商売だけは止めとけ。
本当にシャレにならねえぞ、今回みたいなことになっちまったら」
と口許を引きつらせ、笑えないと言った表情でカミカワさんは続けた。
会社の金使って飲み歩いてた10年前が嘘みたいだよ。
まあ、時代も変わったってのもあるんだろうけど、今じゃあオマエ、1000円単位の売り上げの上下で大騒ぎだ。
もう、あの頃とは2桁ちがうなあ、感覚として」
とぼやくカミカワさんに、
それはこの俺も一緒ですって。
トウキョウにいたって全然遊びにも行ってないすからね。
地味なもんですよ、もうここんとこずっと???」
なんて言いながらもわたしは、久々に先輩と飲むのに暗い酒もなんだし???、なんか明るい話題でもないものか?などと思考を巡らせていたのだが、満腹感と適度な酔いのせいもあってか全くもって思考回路は機能していなかった。

部屋に戻ると鍵は開けっ放しのままユナはまだ風呂に入っているらく???、ってまあ鍵と言ったところで本日この宿はわたしたちのみの貸し切りなわけで、そもそも鍵自体かける必要もないことにその時わたしは気づいた。
それからわたしもフロント奥の風呂場へと手ぬぐいとバスタオルを持って出かけることにした。

ふたつある風呂は見たところ男湯、女湯の表示はなく、どちらでも勝手に(貸し切りなわけで)どうぞ?なんてことらしい。
まあ、とは言えとりあえず今日のところは遠慮して???、とわたしは中で湯を浴びる音のしない右側の風呂場へと向かった。
と言うのもこのところユナとは彼氏、彼女のようにべったりと夜を共にしておきながら、わたしは未だ彼女の身体に指一本すら触れていない(いや、指数本???と唇は触れたような気もするが)。
3度に渡る茶番のようなフェチプレイで毎回わたしひとりがピエロのごとく一瞬野獣化するものの、その後あっさりと彼女にあしらわれ、そんなおあずけ状態が継続されている。
(それでもまあ、とりあえず初回のみ一度は自爆させていただいたが)

2017年6月 8日 (木)

なもんだから

それがまあ、独立したらなんかいつも基本オマエだけじゃ脫毛 underarmん?会社では。
そんでまあ、新たなコミュニティーってわけだよ、プライベートな環境でのね」
なるほどね。
まあ、外資の中堅企業ってのはある意味ちょうどいいって言やあ、ちょうどいい規模のコミュニティーだったもんなあ」
ああ、あの『赤い砂漠』の常連系ってのもいい感じだよな。
おかげですぐにルームメイトも見つかったし」
ああ、そうね。
でもまあ、これからも楽しくなるんじゃないか?ここでの生活なら」
そうだといいね」
とナカバヤシは、
あれ?」
と言って急に顔色を変えた。

どうした?」

あれ???、あれだよ、聞こえるだろ?」
とナカバヤシが急に小声になる。
えっ?
だから何?」
とホンジョウもつられて小声になる。
週年晚宴>こっちのあたりからだ。
そうか、こっち側って言うことはトオルとミユキちゃんだな」
ああ」
と微妙な上下振動が聞こえることにホンジョウも気づき、
やってるねえ」
とニヤリと微笑む。
あれ?
ちょっと待った。
なんだかあっちの方からも聞こえてこないか?」
とナカバヤシは目を細めながら逆の方の天井に耳を傾けている。
ああ、そんな感じ。
お隣さんまでもかよ」
バイブレーションの伝達かなあ?」
ああ、生命誕生の鼓動ってヤツだね」
とホンジョウは腕を組んで天井面全体を見回している。

しかし、なんだねえ。
わけのわかんない展開になったもんだよな。
オマエを盛り上げようって言うサプライズのはずだったに、予定外のふたりがよりによって前の彼氏、彼女と盛り上がっちゃてさあ」
そう言うなんか???、オマエが一番寂しそうだね」
まあ、俺は近視恢復 管理人みたいなもんだから、ここの」
開き直りか?」
そうだ、マキさあ???、俺ちょっと思ったんだけどさあ」
とナカバヤシ。
何?」
とマキはだるそうに応える。
あのヒカルさん、なんかすごくナチュラル系だよね?
なんかノーメークみたいだったし」

2017年5月15日 (月)

付けになっ

トオル!
久しぶり、この人知り防脫髮合い?」
と言っているミユキの目は座っており、どうやら真っ直ぐに立ててもいないようだ。
ああ、なんか彼女大分酔ってるみたいでねえ。
後は頼むよ?トオルくん」
と言ってホンジョウはミユキの肩を持ち上げ、そのままバトンを渡すかのようにトオルの肩に彼女を抱かせる。
おい?
ミユキ!
大丈夫かよ?」
へ~き、へ~き、たいりょうはかいへ~きってなもんだ」
とわけのわからないことをミユキは口ずさんでいる。
まいったなあ。
泥酔だな、こりゃあ」

トゥース!」
と言ってトオルに肩を抱かれながら、スーツ姿の今風OL美人がリビングに登場する。
トゥース」
とハマグチもそれに応える。
ありゃあ、大分いっちゃってるよ、この娘???、カワイイのに」
とマキも呆れ顔だ。
すいません。
あの、友人のミユキです」
とトオルが顔を引きつらせながらみんなにミユキを紹介する。
トオル?
何謝ってんの?
あたし?あたしがなんか迷惑かけてるのかっつう???、かっつうねえ?」
とミユキはご機嫌な笑顔でその部屋のみんなの顔を見回す。
おお、よろしく~。
俺がここにトオルと住んでるナカバヤシ。
それで、マキとハマグチ」
とナカバヤシがふたりを指差してミユキに紹介する。
ああ、どうもうちのトオルがいつもご迷惑かけておりまする。
ってうちのトオルでもないわなあ、ないわなあ」
とミユキが言う横でトオルが顔をしかめている。
ねえねえ、みゆきちゃんって、トオルくんの元カノなんだって?」
とマキが興味津々の笑顔でミユキに向かって話し掛ける。
元カノって?コイツの元カノってのもねえ???、ど沖繩婚禮うなんでしょうねえ?
微妙ですよね?微妙!」
とミユキの呂律が回っていない。
おい、微妙って言われてるよ、トオルくん」
とハマグチがちゃかす。
この人はもう、存在自体が微妙って言うか?はっきりしないって言うか?ダメ男ですよ。
だ?め?お」
とミユキのトオル批判は手厳しい。
はあ、どの辺がまたダメ男なんでしょう?」
とナカバヤシも調子に乗ってそう突っ込む。
好きか?嫌いか?
ねえ!はっきりしないんだ!コイツはいつも。
なんかカッコ付けて、『別にぼくは、むにゃむにゃむにゃ』とかなんとか言っちゃってさあ」
ちょっと!
オマエ酔ってるよ!」
あら、トオル?
あたしのこと嫌いなの?」
何言ってんだよもう、ほら水!」
と言ってトオルはコップの水をミユキに手渡す。
ああ、ごくろう」
と言ってミユキはその水を一気に飲み干した。
ふざけんなって」
とさすがのトオルもややキレ気味の模様。
ミユキはリビングのソファに腰を掛け、タイトミニのスカートからすらりと伸びたナマ足をだらりと床に伸ばしている。
ハマグチの目がそちらに釘付けになってるのをマキが発見し、ハマグチの脳天を軽く小突く。

なんかぼくがダメみたいに言われてるけど、そもそもこの人がぼくらの先輩と出来ちゃって自分をふったんですよ!
しかもぼくはそのシーンまで目撃したんで曼谷自由行套票 すからねえ。
あのタノクラがブリーフ1枚でベッドから出て来るのを!

2017年5月 5日 (金)

今回の失ての

ご機嫌ですねえ?」
とその理由をいかにも聴きたいと言った表情のトオルに、
そりゃあそうさ。
この1週間ばかり生きた心地もしてなかったんだ。
ヘタすりゃあ今頃、俺は東京湾に浮かんでたところさ」
とのサクヤマのリアクションに、
そ、それはまた、ど、どう言うことで?」
と今度はナカバヤシが絶妙のフォローを入れる。
って、まさにサクヤマ社長オンステージが始まろうとしていた。

オマエら、あの地震直後に起こった少女倶楽部メンバー失踪事件のことは知ってたか?」

えっ?
ああ、あれ。
ネットでけっこう騒がれてた」
とマキ。
ああ、あのメンバーのひとりの娘ってのが、実は今朝発見されてね。
これはまだニュースには上がってないと思うけど???、とにかくそれで俺の首が繋がったってわけなんだよ」
そうサクヤマは言い、1杯目のビールを一気に飲み干す。
と、その空グラスにすかさずトオルがビールを注ぐ。
そう言えばあの失踪の娘、一部ではジャンヌ?ダルクみたいな言われようでしたもんね?」
と言ったトオルに、
ジャンヌ?ダルク?」
とナカバヤシが聞き返す。

ええ。
あの失踪がちょうど震災の直後で、ほとんどの外国人が海外や関西方面に逃げちゃったでしょう?
彼女を被災地で見かけたとか、ボランティアでがれき処理に参加してる?なんて言う噂が立ってたんですよ」
まあ、おそらくそれは単なるデマだったとは思うけど」
とクールなマキ。
あれ?
でもサクヤマさん、その少女倶楽部に何か絡んでたんですか?」
と話をもとに戻すかのように訊き返すトオルに、
絡んでたなんてもんじゃないよ。
今回彼女らの日本デビューの段取りはうちが全部仕切ってたんだ。

オマエら気づいてなかったかもしれないけど、あの失踪してたユナって娘、ここにも俺、2回ほど連れて来たことがあるんだよ」
とサクヤマが豪語する。
ええ?
ま、マジすかあ?」
とやたら残念そうなトオル。
まあ、そう言うこともあってだなあ、今回の失踪で一番疑われてたのは俺だったってわけ。
俺がユナを何処かに隠してるとか?かくまってるとか?
もうとんでもねえ濡れ衣でさあ。

それでまあその重要なポイントってのが、あのユナって娘がそもそも単なるアイドルの卵ってわけじゃなくてだなあ???。
って、ああ、ちなみにオマエら知ってるか?
あの辺一連のK-POP系を最近やたら威勢よく売り出してたJNエンタテインメントって韓国系のプロダクション?」

2017年4月26日 (水)

開いてグラスに注

あれって実際はワンダーガールズや東方神Neo skin lab 代理人起以降で、もう単にひとりふたりのアーティスト人気ってレベルのものじゃないらしく。
それでまあ、そこにJNエンタテインメントがいきなり参入したってわけなんだけど。

ってまあ、それはそれで置いといてだなあ???、そもそもそのジンナイってオトコがそんなエンタテインメント事業なんてのに急に手を出し始めたきっかけってのがなんと、そのひとり娘であるあのユナをK-POPスターとしてデビューさせる為だったってんだから、わかるだろ?
そのユナって娘の存在の意味ってものが。

あのユナって娘は確か高校の1年までは日本の聖心女学院に通ってたなんて言う純粋なお嬢様育ちで、何を血迷ったか急にアイドルになりたい?しかも自分の親父の国の韓国で、なんて言い出したらしくて。
それから3年間、ソウルにある養成所においてみっちり歌と踊りを仕込まれてのデビューだったらしい。

そんでもってまあ、その後の過酷なオーディションの末、残りの少女倶楽部メンバーも無事に揃い、そのまま一気に韓国でブレイクって具合に上手くいったわけなtr90 香港んだけど???、その過程ではやっぱりいろいろとあったらしくてね。

ほら、つまりあのユナだけがとにかく会長の娘ってことで、暗黙の了解の中特別扱いだったわけだよ、わかるだろ?
彼女だってやっぱり他のメンバーとは自然と距離も出来てしまう。
それにあの娘だけが日本人とのハーフで韓国語も片言でネイティブじゃないときてる。
そりゃあやっぱ、いろいろと内部で問題も起こっただろうし、彼女だってその間ひとり孤独になったりもしたわけで。
まあ今回の日本デビューに向け、こっちにもたまに来てたわけなんだけど???、その度にまあ、俺がその相談役みたいなのになってたって言うか。
まあ、そんなこともあってこの俺へのジンナイさんの信頼もあったわけなのに、ここにきていきなりの失踪だろ。
正直俺はもう、今回マジで首を吊るくらいの覚悟だったんだよ。
冗談抜きで」
とサクヤマは一気にそう語ると、
ようし!
もう今夜はいいや、ドンペリ持ってこ~い!」
といきなりご機嫌も最高潮に達した模様。

かしこまりました~!」
とすばやくキッチンに駆け込み、ドンペリと4人分のグラスを用意するナカバヤシ。

いやあ、それでは今後のサクヤマ社長の増々收細毛孔の発展を祝して。
かんぱ~い」
とナカバヤシの音頭でスポーンと開いてグラスに注がれたドンペリをその場の4人は一気に飲み干す。
ウマ!
ドンペリなんて何年ぶり?」
とマキのテンションも上々。

2017年4月21日 (金)

変な意味じゃなく

いやでも???、こ、これは、どう見ても、げ、現you beauty 陷阱実だ」
そう言うわたしに、
でも夢の世界にいる時って、大抵はそれが現実だと確信しているケースが大半なはずよね?」
と、そのヒカルの姿をしたユナは言った。

俺たちは、温泉の湯船で???」
セックスした」

そ、それでこの世界に?」
どうやらそうみたいね」
で、でもアメジストは?
あ、あのクリスタルは部屋に置いたままだったのに、な、なんでまた?」

あたしにもわからない。
どうしてこんなことになってしまったのか」
そう言ってヒカルは目を伏せた。

ま、まてよ。
それより今はいったい???」
と言ってわたしは、いつもと同じように右のズボンのポケットに入っていた携帯を右掌で探り当てそれをyou beauty 美容中心取り出すと、画面の日付をチェックしてみた。

3月21日、月曜日?」

それって」
ああ。
これは少しだけ未来の???それももうひとつのパラレルワールドみたいな世界に俺たちは今???、いるってことらしい」
それからわたしが食事中に残ってしまったグラスのビールをちびちびと飲んでいると、
よお、よかったら一杯つき合えよ。
俺のおごりだ」
と言いながらカミカワさんがロックグラスの焼酎ふたつを両手に持って現れた。
ああ、どうも。
ごちそうになります」
と遠慮なくわたしもそう言ってそのひとつを右掌で受け取る。
口に合ったかな?うちの料理」
ええ?
いやいや、最高でしたよ。
あれって奥さんの手料理っすか?」
ああ。
まあアイツ???料理の腕だけはね」
そう言ってカミカワさんは照れたように目を伏せつつ、すぐに、
オマエ???、あの娘、姪ってのは嘘だろ?」
と言って意地悪そうな目付きでこのわたしを見た。

ええ?」
とわかりやすい反応のわたしに、彼もその関係についてそれ以上突っ込んでくるつもりもなかったようで、
でもさあ、俺あの娘、どっかで見たことあるような気がしてな?
雑誌のモデルかなんかか?」
とわたしに訊いてくる。
えっ?
い、いや、普通の娘ですよ」
普通って、オマエ、どう見たって素人じゃないだyou beauty 黑店 ろ?
い、いや、それは変な意味じゃなくてな。
つまりキレイだって言う???」
ええ、わかってますよ。
すいません、嘘言ったりして」
何言ってんだよ。
単純に羨ましいだけだよ」
そうカミカワさんは言いながら嫌みのない笑顔でわたしを見た。

2017年4月 3日 (月)

な表情でこのわた

そう思いつつふと見たテーブルの上の、わたしの携帯がその上に置いてあったであろう所に一枚の紙切れが置き手紙のようにあることにわたしはすぐに気づく。
するとそreenex 好唔好こにはユナの手書きと思われるメッセージが、ボールペンで殴り書きのように書かれていた。
と、その内容もいたってシンプル。

『今日まで本当にありがとう???、ナオキ。
お世話になりました。
ユナ』

その文面はどう見てもわかり易いお別Diamond水機れのメッセージのようにしか見えなかったわけで。
って、でもまたこんな状況でいきなり何故?
なんて思いつつ、わたしはしばらく放心したように布団の上でその手紙をじっと見つめていたのだが???、そんなことをしていてもらちがあかないことに気づき、わたしは荷物をまとめチェックアウトの準備に取りかかった。
ユナの荷物は何ひとつそこには残されておらず、彼女の着ていた浴衣はもとあったのと同じようにきちんと折り畳まれ床の間の上に置かれていた。

フロントに下りて行くと、カミカワさんが、
ああ、ホンジョウ。
なんか彼女、先帰ったみたいだな?

早朝に出て行くのを俺、チラッと見かけたんだけど???、何かあったのか?」
とわたしに尋ね、
え?
いや」
とわたしはデイパックの中の財布を探すかのようにしてカミカワさんから視線をそらす。
なんかちょっと???怪しい黒塗りのメルセデスが迎えに来てたみたいだけど」
そうですか」
と気乗りしないような態度でそう答えるわたしに、
オマエ、大丈夫なのか?」
とカミカワさんは心配そうな表情でこのわたしを見た。

ええ。
このたびはどうも???、お世話になりました。
また、近いうちに連絡しますよ」
そう言ってわたしは会計を済ますとすぐにその宿を後にする。

ユナのことは???おそらく心配はいらない、Diamond水機 と言うことなのだろう。

2017年3月16日 (木)

屈託なく笑う歩

私も単なる遭難と記憶喪失だと思ってたのに、まさかこんな大変な事になるとはあの頃夢にも思ってなかった」
そうだろうな。俺も、お前が消えて、手当り次Diamond水机 第に捜して、ノア号に乗ってたんじゃないかって話が出て、結構焦ったんだぜ?」
そうなの?」
宗次郎さんに話して、源一郎さんに話をつけてもらって、連れてきてもらった。そのかわり、東京に戻る際には葉月と一緒にカナンに関する記憶はすべて消すって約束させられた」
そうだったんだ」
10年前からカナンを、東雨宮を追っていた敦。その記憶全てを差し出す覚悟で、葉月を迎えに来たのだ。
まったく知らなかった葉月は、あらためて申し訳ない気持ちになる。
前にね、歩くんが言ってたの。どれだけ敦さんに救われて来たかわかってる?』って。彼は過去のことを覚えていて、全部知ってたからなんだね。敦が私のためにしてくれてたこと、全部」
あいつがあんな風になった原因は、すべてあのサマーキャンプのせいだ」
うん」
俺はさ、東雨宮とカナンのこともそうだけど、それ以上にあのキャンプでカルテをばらまいたヤツを許せないんだ」
静かに告げられた言葉に、強い怒りが潜んでいるのが分かった。
いつになく真剣な声音に耳を傾ける。
あそこに集められたのは、カナンにスカウトする候補生で、全員訳ありだった。レイとレイチェルをのぞいてはな。俺はたまたま居合わせたバイトにすぎないけど、全員の事情を知って、数日だけど一緒に生活して、皆それぞれ癖はあるけど悪いヤツじゃなくてさ。お前も含めて、あいつらの悲しむ顔を見たくなかったのかもな。早いとこ無事にキャンプを終えて帰りたかった。」
敦さん、歩をどうするつもりだい?」
出たとこ勝負って感じだったけど、およその方針は固めておいた方がいいと思うわ、私も」
理想はさ、もちろん歩と和解だよ。歩もレイチェルも含めてDiamond水機、東雨宮と対決する。そもそも俺たちは敵じゃないんだ。だけど」
栄太とマリアの問いに、敦は苦悩するように頭を抱える。
歩くんをどうやって説得するかだよね」
ああ。あいつの恨みは相当強い。その恨みを晴らす言葉を、俺は持ち合わせていないぜ」
私が話してみる。伝えなきゃいけないことがあるの」
歩くんのご両親のことかい?」
はい。前にも少し話そうとしたんだけど、うまく伝えられなかったから」
そうだな。この中で歩は葉月と一番付き合いが長い。お前の言う事なら聞くかもしれないな」
敦の言葉に、葉月は子供の頃、屈託なく笑う歩と、思春期になり少し気弱になった歩を思い浮かべたのだった。

翌朝。
荷物をまとめて、南下する。
ジャングルをかき分け、サバイバル中に使っていた滝のある池までたどり着いて休憩となった。
Diamond水机し、30分休憩だ。葉月、大丈夫かい?」
栄太に気遣われ、葉月は笑って頷く。

2017年2月23日 (木)

重い音がして

葉月はそれを見ながら、手紙の封を開いた。
そこには、記入された離婚届と、一枚の写真が入っていた。
これ。こんな写真とったっけ」
12年前、廃校のピアノの前でB班の全員で写したスナップ写真だった。
葉月の呟きにザンがボールを持ったまま隣に座り、覗き込む。
ああ、あの時のか」
ピアノの前で写真なんて撮ったっけ?」
覚えていないか?3日目の昼だったか。歩のピアノを皆で聞こうと敦が提案し全員で廃校に行った」
あ!あったかも。セルフタイマーで撮ったんだよね!机を三脚がわりにして」
ああ。懐かしいな」
葉月は写真を食い入るように見つめる。
一番背の高い栄太は腕を組んで笑っている。
隣で王子が無表情に立ち、さらに無表情なのがレイチェル。
レイはVサインをして笑っている。
ザンはカメラ目線ですらなく、不機嫌そうにしており、そんなザンを心配そうに見ている歩。
蓮はちっとも楽しそうな表情ではないが、しっかりとカメラを見据えていた。
左端で敦と葉月が並んで微笑んでいる。
敦のいつもと変わらない斜に構えた笑い方を見て、葉月は泣きながら笑う。
全然変わってないんだから」
ザンは無言で立ち上がり、再びボールをゴdermes 激光脫毛ールに投げ入れては拾っている。
葉月は座ったまましばらく泣きながら写真に見入っていた。
いつかまた会えるだろうか。
きっと会えるだろう。
希望を繋ぐように、涙をぬぐって立ち上がったのだった。
葉月は一人で星村研究所跡に訪れていた。
見上げるだけで寒気がする。
どうしてこう、夜に見る人の使わなくなった廃墟は怖いのだろう。
しばらくそうして見上げていたが、意を決してホイッスルをくわえた。
思いっきり冷たい空気を吸い込み、吹くと、
ピーdermes 脫毛ーーーーーーーーーーッ
と甲高い音が響き渡る。
冬の澄んだ空気に、綺麗な音が溶けるように消えて行く。
(ザン、いるよね?)
自分の勘を信じて心の中で呼びかけると、どさっと重い音がして、そちらを見るとザンが木の上から飛び降りたところだった。
ザンはあたりを伺いながら駆け寄って来た。
葉月?」
びっくりした?ごめんね驚かして」
葉月は笑いながら首dermes 脫毛 から下げたホイッスルを、背伸びをしてザンの首にかけた。
どうしてこんなところにいる」
それはこっちの台詞だよ。探したんだよ?」

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